高温の固体から低温の固体に熱が伝わったり、
固体内の高温部から低温部に熱が移動したりする現象を「伝導」といいます。
伝導で熱が伝わるとき、分子自身は移動せず、熱エネルギーが分子から
分子へと伝えられてきます。熱は分子の振動なので、高温部の大きな振動が、
振動の小さい低温部の分子へ次々と伝播していくというイメージです。
伝導による熱の伝わりやすさは材料によって異なります。
それを数値で示したものが「熱伝導率」です。
熱伝導率は、「長さ1mの物体の両端の温度差が1℃のときに表面積1㎡、
1秒間あたりに流れる熱量」であり、熱伝導率の単位は「W/mK」となります。
熱の伝えやすさを示すので、値が大きいほど熱を伝えやすくなります。
熱を伝えやすい金属は熱伝導率が大きくなり、逆に気体は小さくなります。
また水の熱伝導率は空気よりもはるかに大きいため、含水率が高くなるほど材料内の
空気が水に置き換えられてしまい、熱伝導率は大きくなります。
伝導での伝熱は対流・放射に比べて仕組みが単純です。
そのため伝熱に影響を与える以下の4つの要素が決まれば、
次の式によって伝熱量を計算する事ができます。
①伝える部分の温度差
②熱が伝わる面積
③熱が伝わる厚さ
④熱伝導率
伝導による伝熱量(W)=
熱伝導率(W/mK)×(高温側の温(℃)-低温側の温度(℃))×面積
材料の厚さ
例:熱伝導率1.6W/mKのコンクリート打放しで厚さ200mm、面積10㎡の壁があり、室内側が20℃、室外側が5℃とすると、
伝熱量=1.6×(20-5)×10/0.2=1200(W)
熱伝導率を使って、実際の厚みがある材料の「断熱性」を数値で表現することができます。
この断熱性を示す数値のことを「熱抵抗」といいます。
断熱性を示す数値ですから、これは「熱の伝えにくさ」を表したものです。
熱抵抗が2㎡K/Wである材料よりも熱抵抗が5㎡K/Wである材料のほうが熱を伝えにくいということです。
熱抵抗は「材料の厚み÷熱伝導率」で定義され、熱貫流率やQ値を求めるときにこの計算が必要になります。
また、断熱材はその種類や厚みごとに熱抵抗の値が表記されているのが一般的です。
熱抵抗(㎡K/W)=材料の厚み(m)/熱伝導率(W/mK)
断熱は「伝導」という熱の移動形態に対して、伝熱量を少なくする技術です。
とくに冬期において建物内部の温度環境を整えるには、室内から熱が逃げないようにすることが
何よりの基本となります。
それに加え、屋根や天井の断熱は、夏場の室内への日射侵入量を抑えることにもつながります。
建物外皮(屋根や天井、外壁、床や基礎)に使う断熱材の熱抵抗を大きくし、開口部の断熱性を
高めることがポイントになります。
静止空気は熱伝導率が0.022W/mKと低く、この性質を利用して断熱材はつくられています。
断熱材内部にできるだけ小さな空隙(静止空気)が生まれるように加工してあるわけです。
木材もその樹種によって熱伝導率は異なりますが、スギなどの比重が小さい木材は、その中に
空隙が多いことから熱伝導率が小さくなります。
壁内に密閉された空気層がある場合、その層も断熱性能を見込むことができます。
空気には若干の粘性があるため、垂直方向で2cm以下の層だと対流は起こりません。
逆に通気層を設ける場合はこの粘性によって通気が妨げられるので、通気層は2~3cm
以上確保することが大切です。
窓ガラスは熱伝導率が1.0W/mKと比較的大きく、厚みも3~6mm程度しかないので
熱抵抗が非常に小さい材料です。
また、アルミは金属なので熱を伝えやすく、熱伝導率は200W/mKにもなります。
そのため開口部は熱的には大きな弱点になってしまいます。そこで、断熱性を
向上させるために、空気の断熱性を利用した複層ガラスや熱伝導率が低い樹脂を
用いたサッシが使われます。
「真空」は空気よりも断熱性能が高いことから、複層ガラスのなかには、この真空層を
利用した製品もあります。分子がなくなってしまえば分子の運動による伝熱は起こらなくなるからです。
ただし放射による伝熱は発生するため、熱移動はゼロにはなりません。
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